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導入事例 2026.03.22 約 10 分

技術資産を意思決定者に届けるサイトリニューアル(産業機械メーカー)

技術資産を意思決定者に届けるサイトリニューアル(産業機械メーカー)

製造業のBtoBサイトでは、「技術資産は豊富にあるのに、決裁者には届いていない」という構造的なズレが起きがちです。本事例では、業界トップクラスの技術力を持ちながらWebからの商談がほぼ生まれていなかった産業機械メーカーが、サイトリニューアルと媒体設計の刷新で商談数を3.1倍に拡大した事例をご紹介します。

主要成果サマリー CVR ×2.4 サイト全体 商談数 ×3.1 月間ベース 役員DL率 +182% ホワイトペーパー 期間 8ヶ月 支援開始から

クライアント概要

支援対象は、半導体製造装置の特殊部品を手がける産業機械メーカー。創業40年以上、業界では技術力で高い評価を受けており、海外シェアも一定数を獲得しています。年商は約60億円、従業員数は180名規模です。

相談のきっかけは、社長からの「展示会と紹介ばかりで、Web経由の新規取引がほぼない」という危機感でした。

支援開始時の課題

課題1:技術コンテンツが「読み手不在」になっていた

サイトには製品仕様、技術論文、採用事例といった豊富なコンテンツが掲載されていましたが、すべてが技術者向けの専門用語で書かれており、決裁者(経営層・購買担当役員)が読んでも価値が伝わらない状態でした。

課題2:問い合わせ動線が「営業に投げる」一択

コンバージョンポイントは「問い合わせフォーム」のみ。情報収集段階の見込み顧客が手前で離脱しており、商談に至る前のライトな接触機会がゼロでした。

課題3:媒体露出が技術系メディアのみ

広告出稿先は業界専門誌や技術系Webメディアに限定されており、決裁権を持つ経営層にはほぼリーチできていませんでした。役員がよく見る経済メディアやLinkedInなどへのアプローチは未着手でした。

実施した3フェーズの再構築

8ヶ月の再構築ロードマップ 1 月1-3 情報設計 3層IA再設計 サイト構造 2 月4-6 ホワイトペーパー 起点の動線設計 リード獲得設計 3 月7-8 媒体露出の 経営層リーチ化 媒体戦略 商談創出

フェーズ1(月1-3):3層IAでサイト全体を再設計

まず取り組んだのは、サイトの情報設計(IA)の全面再構築です。「技術者向け(第2層)」「決裁者向け(第3層)」「情報収集者向け(第1層)」と読み手別に情報を整理し、それぞれ独立した動線を設計しました。

特に大きな変更は、TOPページのファーストビューです。それまでの製品写真中心から、「導入企業100社」「歩留まり改善実績 平均15%」など、経営層の関心に直接訴える数字を主役に配置しました。

フェーズ2(月4-6):ホワイトペーパー起点の動線設計

続いて、決裁者の購買検討を支援するホワイトペーパーを5本制作しました。単なる製品紹介ではなく、「業界課題の整理 + 解決アプローチ + 投資対効果のシミュレーション」という構造で、そのまま稟議書の根拠資料として使える形式に設計しました。

DLしたユーザーには、業界別・部門別にセグメント分けされたメールシナリオを設定。インサイドセールスチームと連携し、温まったリードのみが商談に進む仕組みを構築しました。

フェーズ3(月7-8):経営層へリーチする媒体戦略

最後の2ヶ月は、媒体露出の幅を広げました。日経電子版・東洋経済オンライン・LinkedInなど経営層が目にするメディアへ広告出稿を開始し、Meta広告でも「製造業の役員・部長クラス」をターゲティングする精緻な配信設計に切り替えました。

8ヶ月後の成果

指標 支援開始時 8ヶ月後 変化
サイトCVR0.4%0.96%×2.4
月間ホワイトペーパーDL数28件192件×6.9
役員クラスのDL割合11%31%+182%
月間商談数7件22件×3.1
Web経由の年間契約金額1.8億円7.2億円×4.0
新規取引先(企業)数年4社年18社×4.5

特に注目すべきは、役員クラスのホワイトペーパーDL割合が11% → 31%へと急増した点です。これにより、商談化に至る前段階で「決裁権のある人」がコンテンツに触れる機会が増え、その後の意思決定スピードが大幅に短縮されました。

数字以外の変化

変化01
展示会と紹介に依存していた営業構造から、Web起点の安定的な商談創出体制へ
変化02
技術部門と営業部門が「どんなコンテンツが商談を生むか」を共通言語で議論できるように
変化03
業界専門誌に閉じていたブランド露出が、経済メディアやSNSに広がり認知が拡大
変化04
海外取引先からの問い合わせも増加し、海外展開の足がかりに

本事例から得られた示唆

製造業のBtoBサイトでよく見られるのは、「技術力のショールーム化」という状態です。情報は豊富にあるのに、誰のためのサイトか曖昧で、決裁者には何も伝わらない。この構造を抜け出すには、「読み手別の情報設計」と「決裁者を意識した媒体戦略」を同時に再構築する必要があります。

技術力という強みを「事業成果」として届けるためには、コンテンツそのものよりも「届け方の設計」が肝になります。本事例は、その重要性を改めて示すものとなりました。

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